フィンランドのヘーメンリンナで生まれたイルマリ・タピオヴァーラ。アルヴァ・アアルトの指導の下、アルテックからル・コルビュジエの事務所、アスコ社のディレクターからケラヴァン・プウテオリススの家具工場の監督、晩年はドムス・アカデミーや工科大学学生村などのインテリアデザインも手がけています。アアルトの影響を受けつつ、機能性を重視したデザインが特徴で戦時中のフィンランドの情勢の中で限られた道具と資材でいかに最小限のリソースで最大の快適性を生み出すことを目的としたデザインに従事しました。其の後に彼の代表作である、バーチ合板の「ドムス・チェア」(1946年)は、効率的で低コストな輸送のために分解可能なノックダウン形式の家具をデザインしています。また今回出品するタピオヴァーラの傑作の一つである1956年にデザインをした「Nana Arm Chair(ナナ・アームチェア)」 戦後の復興の中で広く使われていた、汎用性の高い20φ前後の華奢なスチールパイプフレームを3次曲げの立体構造として強度を確保、ドムスチェアから引用されたアームレストが独特のアイコンの椅子になっています。製造元はヘルシンキにあるMerivaara社にて製造されたとても稀少なヴィンテージ品で曲面成型されたプライウッドのシートと背もたれは、デスクや事務作業としても座りやすい設計になっており、ダイニングチェアとしてもアームが小さめな設計なので大きなテーブルとの組み合わせがしやすく、アイコニックですが、多種多様な空間に合わせやすいアイテムです。数年前にドイツから買ってきたのですが、ウレタンが死んでいて、シートをKvadrat社のWaterborn 2128-0163で新しく張り替えをしています。大変きれいな状態です。またフレームやアームは多少の傷などはありますが、大きなダメージもなく、全体的に状態は良いです。現状渡し、ノークレーム、ノーリターンでお願い致します。Design : Ilmari TapiovaaraDesign Period : 1950 to 1959Manufacture:Merivaara(Finland)Materials : Upholstery, MetalColor : smoky blue grayW : 71 cm D : 54 cm H : 74 cm